固定資産税は、土地や建物を所有している人に毎年課される税金だ。金額は物件の評価額によって異なるが、年間で数万円〜数十万円にもなる大きな出費である。
これだけの金額を支払うなら、少しでもポイントを貯めたいと思うのは当然だろう。実は、固定資産税もeL-QR(地方税統一QRコード)対応の納付書があれば、スマホ決済やクレジットカードでキャッシュレス納付ができる。

この記事では、固定資産税のキャッシュレス支払い方法を比較し、もっともお得な納付ルートを解説する。
固定資産税の基本情報
固定資産税は毎年1月1日時点で土地・家屋・償却資産を所有している人に対して課される地方税だ。税率は自治体によって異なるが、標準税率は課税標準額の1.4%となっている。
納付は年4回に分かれており、多くの自治体では4月・7月・12月・翌2月の4期に分けて支払う(自治体によって異なる)。一括納付を選ぶこともできる。
固定資産税の納付額の目安
一般的な住宅の場合、固定資産税の年間納付額は以下の範囲が多い。
- マンション(新築):年間8万〜15万円程度
- 一戸建て(新築):年間10万〜20万円程度
- 築年数が経過した物件:年間5万〜10万円程度
これに加えて、都市計画区域内にある物件には都市計画税(標準税率0.3%)も課される。合計すると、さらに大きな金額になる。
年4回に分かれて届くぶん、実際に1年でいくら払っているのかを把握できていない家庭は意外と多い。持ち家の維持費をまとめて棚卸ししてみたい人は、家計管理の考え方から整理してみるのもひとつの手だ。
固定資産税のキャッシュレス支払い方法
固定資産税をキャッシュレスで納付する方法を、それぞれ詳しく見ていこう。
1. スマホ決済アプリ(請求書払い)
PayPay、楽天ペイ、au PAY、d払いなどのスマホ決済アプリで、納付書のバーコードまたはeL-QRコードを読み取って支払う方法だ。決済手数料は無料で、自宅から24時間いつでも納付できる。
ただし、多くのスマホ決済アプリでは請求書払い時のポイント還元が0%に設定されている。手数料無料で自宅から支払えるという利便性がおもなメリットだ。
2. クレジットカード(地方税お支払いサイト)
eL-QR対応の納付書があれば、地方税お支払いサイトからクレジットカードで納付できる。カード利用分のポイントが貯まるのがメリットだ。
ただし、決済手数料がかかる点に注意が必要だ。手数料は納付額によって変わり、一般的に1万円ごとに約80〜100円(税別)程度かかる。固定資産税は金額が大きいため、手数料もそれなりの額になる。
クレジットカード払いの手数料 vs ポイント還元(固定資産税10万円の場合)
- 決済手数料:約800〜1,000円
- 還元率1.0%のカード → 1,000ポイント – 手数料約900円 = 約100円分のお得
- 還元率1.2%のカード → 1,200ポイント – 手数料約900円 = 約300円分のお得
- 還元率0.5%のカード → 500ポイント – 手数料約900円 = 400円分のマイナス
3. 電子マネー(nanaco)
セブンイレブンで納付書を使い、nanacoで支払う方法だ。nanacoでの支払い自体には手数料がかからないため、クレジットカードからnanacoにチャージした際のポイントがそのままお得になる。
ただし、nanacoの上限額は5万円のため、固定資産税の1期分が5万円を超える場合はnanacoでは支払えない。複数枚のnanacoを使った合算払いはセブンイレブンでは可能だが、店舗によって対応が異なることもある。
4. 口座振替
銀行口座から自動引き落としされる方法だ。払い忘れの心配がなく、手数料もかからない。ポイント還元はないが、確実に納期限内に支払える安心感がある。
5. Pay-easy(ペイジー)
インターネットバンキングやATMから、収納番号を入力して支払う方法だ。手数料無料で、銀行窓口に行く必要がない。
固定資産税をもっともお得に払う方法
固定資産税をお得に支払う方法を、還元率の高い順に整理しよう。
年間利用額ボーナスがあるカードで支払う
三井住友カード ゴールド(NL)やエポスゴールドカードなど、年間100万円利用でボーナスポイント(1万ポイント)が付くカードを持っている場合は、固定資産税の支払い分も年間利用額にカウントされる。
年間利用額100万円をクリアした場合の実質還元率は約1.5%になるため、手数料を差し引いてもお得になる可能性が高い。固定資産税が年間15万円なら、日常の買い物と合わせて100万円に到達しやすくなる。
高還元率カード×地方税お支払いサイト
リクルートカード(還元率1.2%)やJCB CARD W(還元率1.0%)など、年会費無料で還元率が高いカードを使えば、手数料を差し引いてもわずかにプラスになる。
nanaco払い(セブンイレブン)
nanacoへのクレジットカードチャージでポイントが付く場合、手数料ゼロでポイントを獲得できるため効率が良い。ただし、1期分5万円以上の場合は使えない点と、対応カードが限られる点に注意しよう。
こうして支払い先ごとにカードや電子マネーを使い分けていくと、財布の中の枚数は自然と増えていく。持ち歩く枚数が増えるほど、収納やスキミング対策も気になってくるところだ。

固定資産税のキャッシュレス払いで注意すべきこと
納税証明書の発行タイミング
キャッシュレスで納付した場合、自治体側での入金確認に通常2〜3週間かかる。不動産売買など、納税証明書が急ぎで必要な場合は、窓口やコンビニで支払ってその場で証明書を受け取ったほうが確実だ。
二重納付の防止
スマホ決済で支払った後に、同じ納付書でコンビニ払いをしてしまうと二重納付になる。支払い済みの納付書には「済」と記入するか破棄しておこう。なお、二重納付した場合は後日還付されるが、手続きに時間がかかる。
支払い済みの納付書には氏名・住所・物件の情報が印字されている。そのままゴミ箱に入れるのが気になる場合は、家庭用のシュレッダーを1台置いておくと処分がラクになる。
カードの利用限度額を確認
固定資産税は金額が大きいため、クレジットカードの利用限度額に注意が必要だ。ほかの買い物と合わせて限度額を超えてしまうと決済できない。一括払いで固定資産税を支払う場合は、事前に利用可能額を確認しておこう。
固定資産税の分割納付と一括納付、どちらがお得?
固定資産税は年4回の分割納付が基本だが、一括で納付することもできる。どちらがお得なのだろうか。
結論としては、多くの自治体では一括納付による割引制度はない。一括で払っても分割で払っても、税額そのものは同じだ。
ただし、クレジットカードのポイント還元の観点では、一括で支払ったほうが手数料が割安になるケースがある(手数料の計算方法による)。また、払い忘れのリスクがなくなるというメリットもある。
一方、分割納付のメリットは、一度にまとまった金額が口座から引かれないため、資金繰りがしやすい点だ。自分のお金の状況に合わせて選ぼう。

よくある質問
Q. 固定資産税をPayPayで払うとポイントは付く?
A. 記事執筆時点では、PayPayの請求書払いではポイント還元は0%だ。手数料無料で自宅から支払えるという利便性がおもなメリットになる。
Q. 固定資産税のクレジットカード払い、分割やリボは使える?
A. 地方税お支払いサイトでのクレジットカード払いは一括払いのみだ。分割払いやリボ払いは選択できない。
Q. 都市計画税もキャッシュレスで払える?
A. 固定資産税と都市計画税は通常、一枚の納付書にまとめて記載されている。そのため、固定資産税と同時にキャッシュレスで納付できる。
Q. 固定資産税をクレカで支払ったら確定申告に影響する?
A. 不動産を事業用として使っている場合、固定資産税は経費として計上できる。支払い方法が変わっても税額は同じなので、経費計上に影響はない。クレジットカードの決済手数料も経費として計上可能だ。
Q. 前年と同じ方法で支払えば手続きは不要?
A. 口座振替を設定している場合は、毎年自動的に引き落とされる。クレジットカード払いやスマホ決済は都度払いのため、毎年届く納付書で手続きが必要だ。
まとめ
固定資産税のキャッシュレス払いは、スマホ決済なら手数料無料で自宅から納付でき、クレジットカードならポイント還元が受けられる。金額が大きいだけに、還元率1.0%以上のカードを選べばまとまったポイントを獲得できる可能性がある。
ただし、クレジットカード払いには決済手数料がかかるため、還元率が低いカードでは手数料負けしてしまう。事前に手数料とポイント還元のバランスを計算しておくことが大切だ。
まずは手元の固定資産税の納付書を確認し、eL-QRコードが印刷されているかチェックしてみよう。対応していれば、今すぐスマホやパソコンからキャッシュレスで納付できる。詳しい手順は地方税お支払いサイトで確認してみてほしい。

