毎月かならず発生する電気代・ガス代・水道代。「どうせ払うなら少しでもお得にしたい」と思ったことはないだろうか。実は、光熱費の支払い方法をキャッシュレスに変えるだけで、年間数千円分のポイントが自動的に貯まる仕組みを作れる。
光熱費は月1万〜3万円ほどかかる家庭が多く、年間にすると12万〜36万円。これを還元率1%のクレジットカードで支払えば、年間1,200〜3,600円分のポイントが何もしなくても貯まる計算になる。

この記事では、電気・ガス・水道それぞれのキャッシュレス支払い方法と、還元率の高い支払いルートについて詳しく解説する。
光熱費をキャッシュレスで支払う3つの方法
光熱費をキャッシュレスで支払う方法は、大きく分けて3つある。それぞれにメリットと注意点があるので、自分に合った方法を選ぶことが大切だ。
クレジットカード払い
もっとも手軽でポイント還元率が高いのがクレジットカード払いである。電力会社・ガス会社の公式サイトやカスタマーセンターから支払い方法の変更手続きができる。一度登録すれば、毎月自動的にカード決済されるため手間もかからない。
ただし注意点がある。一部のクレジットカードでは、公共料金の支払い時にポイント還元率が下がるケースがある。たとえば楽天カードは通常1.0%の還元率だが、公共料金の支払いでは0.2%まで下がる。カード選びの際は公共料金でも還元率が変わらないカードを選ぶことが重要だ。
口座振替
従来からある支払い方法である口座振替にも、実はメリットがある。東京電力エナジーパートナーや東京ガスでは、口座振替にすると毎月55円の割引が適用される。東京都水道局でも月50円の割引がある。
ただし、口座振替割引を実施していない電力会社やガス会社も増えている。新電力と呼ばれる電気の自由化以降に参入した事業者では、口座振替割引がないケースが多い。
スマホ決済アプリ
PayPayやau PAY、楽天ペイなどのスマホ決済アプリでも、一部の電力・ガス会社では支払いが可能になっている。請求書のバーコードをアプリで読み取る「請求書払い」に対応している事業者であれば利用できる。
ただし、多くのスマホ決済では請求書払い時のポイント還元が0%に設定されている。PayPayやd払いなどは請求書払いのポイント付与を廃止しているため、ポイント還元を重視するならクレジットカード払いのほうが有利だ。
電気代のお得な支払い方法
電気代は光熱費のなかでもっとも金額が大きくなりやすい。総務省の家計調査によると、一般的な家庭の電気代は月額1万円前後となっている。
クレジットカード払いがお得になる目安
- 還元率1.0%のカード → 月5,500円以上の電気代ならクレカ払いがお得
- 還元率1.2%のカード → 月4,600円以上の電気代ならクレカ払いがお得
- 月5,000円以下 → 口座振替割引(55円/月)のほうがお得になる場合もある
多くの家庭では月の電気代が5,500円を超えるため、還元率1.0%以上のクレジットカードで支払うのが得策といえる。
支払い方法を整えるのと並行して、電気そのものの使い方を見直したくなる方も多いはずだ。使っていない機器を個別に切れるスイッチ付きの電源タップにしておくと、待機電力を意識しやすくなる。
電気代をクレジットカード払いに変更するには、契約している電力会社のマイページか電話で手続きできる。大手電力会社はいずれもクレジットカード払いに対応している。新電力の場合は、申し込み時にクレジットカード払いを選択する形が一般的だ。
ガス代のお得な支払い方法
ガス代は都市ガスかプロパンガスかで金額が大きく異なる。都市ガスの場合は月3,000〜6,000円程度、プロパンガスは月5,000〜1万円程度が目安となる。
都市ガスの大手事業者(東京ガス・大阪ガス・東邦ガスなど)はクレジットカード払いに対応している。東京ガスの場合、口座振替割引は55円/月なので、月の支払いが5,500円以上なら還元率1.0%のクレジットカードのほうがお得になる。

プロパンガスの場合、クレジットカード払いに対応していない事業者もまだ多い。その場合はコンビニ払いの納付書をスマホ決済アプリで読み取る方法を検討してみよう。
水道代のお得な支払い方法
水道料金は自治体が管理しているため、支払い方法の選択肢は地域によって異なる。東京都水道局や横浜市、大阪市、千葉県、仙台市、さいたま市、神奈川県など、多くの大都市圏ではクレジットカード払いに対応している。
東京都水道局の場合、口座振替割引は月50円。2か月に一度の検針で2か月分まとめて請求されるため、口座振替割引は実質月50円×2か月=100円分の割引になる。還元率1.0%のクレジットカードでお得になるのは、2か月分で1万円以上の場合だ。
水道料金のクレジットカード払いへの変更は、各自治体の水道局公式サイトからインターネットで申し込めるケースが多い。手数料がかからない自治体がほとんどなので、安心して手続きできる。
水道代は請求額そのものが小さいぶん、還元よりも使う量のほうが効いてくる。家庭で水を多く使うのは主に浴室なので、節水タイプのシャワーヘッドに交換するという手もある。ガスの給湯量も一緒に変わってくる部分だ。
光熱費の支払いにおすすめのクレジットカードの特徴
光熱費の支払いでポイントをしっかり貯めるには、公共料金でも還元率が下がらないカードを選ぶことが大切だ。ここでは光熱費払いに向いているカードの特徴を紹介する。
年会費無料で還元率が高いカード
リクルートカードは年会費無料で公共料金の支払いでも還元率1.2%を維持できる。月2万円の光熱費なら年間2,880円分のポイントが貯まる計算だ。貯まったポイントはPontaポイントやdポイントに交換して使える。
JCB CARD Wも年会費無料で還元率1.0%をキープ。公共料金の支払いでも還元率が下がらないのが特徴だ。
年間利用額が多い人向けのカード
三井住友カード ゴールド(NL)は、年間100万円の利用で翌年以降の年会費が永年無料になり、ボーナスポイントを含めると実質1.5%の還元率になる。光熱費だけでなく日常の買い物も含めて年間100万円使う人には効率の良い選択肢といえる。
エポスゴールドカードも年間100万円利用で実質1.5%還元となり、選べるポイントアップショップに電力会社やガス会社を登録すると、さらにポイントが上乗せされる。
楽天カードは通常の還元率は1.0%だが、電気・ガス・水道などの公共料金の支払いでは還元率が0.2%に下がる。光熱費の支払いには向いていないので注意が必要だ。
口座振替割引とクレカ払い、どちらがお得?
「口座振替割引があるなら口座振替のほうがお得なのでは?」と思う方もいるかもしれない。結論から言うと、月の支払額が5,500円を超えるかどうかが分岐点になる。
口座振替割引は金額に関係なく一律で毎月55円(東京電力・東京ガスの場合)。一方、クレジットカードのポイント還元は利用額に比例して増える。
還元率1.0%のクレジットカードの場合の損益分岐点は以下の通りだ。
- 月5,500円 → クレカ還元55円=口座振替割引55円(同額)
- 月1万円 → クレカ還元100円 > 口座振替割引55円
- 月2万円 → クレカ還元200円 > 口座振替割引55円
- 月3万円 → クレカ還元300円 > 口座振替割引55円
電気・ガス・水道をまとめて考えると月1万〜3万円になる家庭がほとんどなので、還元率1.0%以上のクレジットカードを使えばクレカ払いのほうがお得になるケースが多い。
ここで比べている還元額は月あたり数十円〜数百円の世界だ。同じくらいのインパクトを使う側で作るなら、点けている時間が長い場所の照明をLEDに替えてしまうほうが手っ取り早い場合もある。

光熱費のキャッシュレス払いで気をつけること
光熱費をキャッシュレスに切り替える際に知っておきたい注意点をまとめた。
カードの有効期限切れに注意
クレジットカード払いに設定した場合、カードの有効期限が切れると引き落としができなくなる。カード更新時に番号が変わった場合は、電力会社・ガス会社・水道局それぞれで登録カード情報の変更手続きが必要だ。
支払い遅延のリスク
クレジットカードの引き落とし日に口座残高が不足していると、光熱費の支払いも遅延することになる。支払い遅延が続くと延滞金が発生したり、最悪の場合は供給停止になるケースもある。カードの引き落とし口座の残高管理は忘れずに行おう。
ポイント還元率の変更
クレジットカード会社は、公共料金に対するポイント還元率を変更することがある。カードを選ぶ際は最新の還元率を公式サイトで確認することをおすすめする。
光熱費とあわせて見直したい固定費
光熱費のキャッシュレス化がうまくいったら、ほかの固定費も見直してみよう。NHK受信料や各種保険料、通信費なども、クレジットカード払いに変更できるものが多い。
固定費をすべてクレジットカードに集約すると、ポイント還元が大きくなるだけでなく、カードの利用明細で毎月の支出が一覧できるため家計管理もしやすくなる。
どこから手をつけるか迷ったときは、固定費の削り方を項目ごとに整理した本を1冊参考にするのもいい。光熱費・通信費・保険といった順番の考え方が載っているので、自分の家計に当てはめやすくなる。
クレジットカードの利用明細は、Zaimやマネーフォワード MEといった家計簿アプリと連携させることも可能だ。自動で支出が記録されるため、手入力の手間がなくなる。
よくある質問
Q. 電力会社を乗り換えてもクレジットカード払いはできる?
A. 新電力(電力自由化で参入した事業者)でもクレジットカード払いに対応しているところがほとんどである。むしろ新電力のほうがクレジットカード払いしか選べないケースもある。契約前に公式サイトで対応状況を確認しておこう。
Q. 光熱費のクレジットカード払いに手数料はかかる?
A. 電力会社・ガス会社・水道局のクレジットカード払いには、消費者側に手数料はかからない。カード会社と事業者間で手数料が発生するが、利用者が負担する必要はない。
Q. 引っ越した場合、クレジットカード払いの設定はどうなる?
A. 引っ越し先で同じ電力会社・ガス会社を利用する場合でも、改めてクレジットカード払いの登録が必要になることが多い。引っ越し後の手続きを忘れないよう注意しよう。
Q. 家族カードで光熱費を払うことはできる?
A. 可能だ。家族カードでの支払い分も本会員のポイントに合算されるため、ポイントを一か所に集約できるメリットがある。
家族で使うカードをまとめたなら、季節ごとの光熱費の増減も見えやすくなる。アプリの記録だけでは実感が薄いという方は、月ごとの金額を書き込める家計簿ノートを1冊用意しておくと変化を追いやすい。

まとめ
光熱費のキャッシュレス払いは、毎月の固定費からポイントを自動的に貯められる効率的な節約術だ。とくにクレジットカード払いは、還元率1.0%以上のカードを使えば口座振替割引よりもお得になるケースが多い。
支払い方法の変更は、電力会社・ガス会社のマイページや水道局の公式サイトから手続きできる。一度設定すれば毎月自動で決済されるため、手間はほとんどかからない。
まずは今月の電気代の明細を確認して、現在の支払い方法をチェックしてみてはいかがだろうか。公共料金でも還元率が下がらないクレジットカードに切り替えるだけで、年間数千円分のポイントが貯まる生活が始まる。
光熱費以外にも、NHK受信料や保険料など、キャッシュレス化できる固定費はまだまだある。経済産業省のキャッシュレス推進に関するページもあわせて参考にしてみよう。

